不貞相手から貞操権侵害を主張されたらどうする? |横浜の弁護士による不倫・慰謝料請求相談なら

不倫の慰謝料請求相談

初回相談1時間無料

045-594-7500

24時間Web予約
受付中

不貞相手から貞操権侵害を主張されたらどうする?

1 はじめに

女性から突然「結婚を前提に付き合ってほしいと言われたから交際していたのに,既婚者だったと知りました。既婚者だと知っていたら交際していなかった。私を騙したことについて慰謝料を請求します。」という手紙が自宅に届いて,夫が浮気していたことを知ったというご相談を受けることがあります。

また,夫の不貞相手に慰謝料請求をしたら,不貞相手から「私は彼から独身だと聞いていた。慰謝料を請求されて初めて既婚者だと知った。私は騙された被害者だから,むしろ慰謝料が欲しい」と言われたというご相談を受けることもあります。

これらは貞操権侵害に基づく慰謝料請求の主張です。

そこで,今回のコラムでは,どのようなときに貞操権侵害に基づく慰謝料請求が認められるのかについて,横浜シティ法律事務所の弁護士が解説いたします。

 

 

2 貞操権侵害とは?

貞操権とは,誰と性行為をするかを自分で決める権利です。

他人に強要されたり,騙されたりして,性行為をした場合,貞操権侵害となる可能性があります。

 

 

3 交際相手に独身だと騙されていたケースで貞操権侵害が成立する場合とは?

独身だと偽られた上,結婚を前提に付き合ってほしいと言われ,それを受け入れて交際して性行為をしたという場合,結婚できると信じたからこそ交際したわけですから,騙されて性行為をさせられたといえます。そのため,このような場合には,貞操権侵害が成立するといえるでしょう。

整理すると,交際相手に独身だと騙されたケースで貞操権侵害を主張するには,以下の要件をみたす必要があります。

 

 ①相手が独身であると偽っていたこと
 ②結婚を前提に交際していたこと
 ③性行為をしたこと

 

(1)交際相手が独身か既婚者か不明だった場合は?

上記のとおり,貞操権侵害というためには,交際相手が自分のことを独身であると偽っていたことが必要です。

したがって,交際相手が独身か既婚者か不明だった場合や,何となく独身であると思い込んでいただけの場合には,貞操権侵害とはいえません。

 

(2)交際していたけど結婚の話は出ていなかった場合は?

上記のとおり,貞操権侵害というためには,結婚を前提とした交際であった必要があります。

特に結婚話が出ておらず,将来的に結婚するかどうかは関係なく交際していた場合には,相手が独身である必要はないわけですから,貞操権侵害とはいえません。

ただし,婚約までしている必要はなく,結婚をほのめかされて交際していた場合であれば,貞操権侵害といえる可能性があります。

 

(3)交際していたけれども性行為はしていない場合は?

上記のとおり,貞操権は誰と性行為をするかを自分で決める権利であるため,性行為をしていない交際関係(いわゆるプラトニック・ラブ)の場合,貞操権侵害とはいえません。

 

 

4 貞操権侵害に基づく慰謝料の相場はいくら?

貞操権侵害の慰謝料の相場は,数十万円〜300万円程度です。

金額は,性行為の回数や期間,婚約の有無など,様々の要素が考慮されて決まります。被害者側が妊娠した場合や,加害者側の嘘が悪質であったり,態様が不誠実であったりした場合(たとえば,被害者のことを単なる性的快楽の対象としていた,子供を認知しない,一方的に連絡を絶った場合など)には,慰謝料が高くなります。

 

 

5 不貞相手が貞操権侵害を主張してきた場合でも,不倫慰謝料は請求できる?

上記の相談例のように,不倫相手が貞操権侵害で慰謝料を請求してきた場合でも,逆に不倫慰謝料(不貞慰謝料)を請求することはできるのでしょうか。また,不倫慰謝料を請求したのに対し,「自分も被害者だからむしろ慰謝料が欲しい」と言われた場合,不倫慰謝料の請求は諦めないといけないのでしょうか。

確かに,貞操権侵害の場合,不倫慰謝料が認められないケースもあります。独身だと信じたことに落ち度(過失)がない場合がこれに当たります。しかし,独身だと信じたことに落ち度がある場合には,不倫慰謝料は認められます。詳しくはこちらの記事(既婚者だと知らなかった場合,不倫慰謝料請求を拒否できるか)を参照ください。

したがって,不倫相手が貞操権侵害で慰謝料を請求してきた場合でも逆に不倫慰謝料を請求できることは多々あります。また,不倫慰謝料を請求したら不倫相手が貞操権侵害を主張してきた場合でも,慰謝料請求を諦める必要はありません。

 

 

6 おわりに

配偶者の不倫相手が自分自身のことを被害者だと主張してくるケースは意外とよくあります。貞操権侵害の主張まではいかなくとも,既婚者であるとは知らなかったから慰謝料を支払いたくないという反論もよくあります。

しかし,既婚者であることを知らなかった場合のほとんどは,知らなかったことに落ち度(過失)が認められ,不倫慰謝料が発生するケースです。ただ,どのようなときに既婚者だと知らなかったことに落ち度があるとされるかは非常に難しい話であり,弁護士によって見解が分かれるような微妙なケースもあります。

配偶者の不倫相手が貞操権侵害を主張してきた場合でも不倫慰謝料を請求できる可能性は十分ありますから,慰謝料請求が可能かどうか,不倫問題に詳しい弁護士に直接相談してみることをおすすめいたします。

その他のコラム

肉体関係がなくても慰謝料請求できる?

1.はじめに あなたの配偶者が不倫相手と肉体関係を持っていた場合、あなたは不倫相手に対して慰謝料請求をすることができます。 それでは、あなたの配偶者が、あなた以外の異性と肉体関係を持っていない場合でも、慰謝料請求ができる場合はあるのでしょうか。   2.不倫慰謝料請求ってそもそもなんなの? 「不倫慰謝料を請求できるのはどんなとき?」 にも記載のとおり、不倫慰謝料請求は、法律上「不法行為」(民法...

詳細を見る

慰謝料請求の期限までに回答ができない場合の対処法

1 はじめに 不貞の事実が発覚し慰謝料請求を受けた場合、通常その通知書には「●月●日までにお支払いください」「●月●日までにご回答ください」といった期限が設けられています。 しかしながら、突如として慰謝料の請求を受けた場合、今後の対応を検討するために弁護士に相談したり、お金を用意したりと、期限までに回答できない、入金が間に合わないという方も少なくありません。 期限までに入金や回答ができない場合どのような不利益があるのか、...

詳細を見る

慰謝料請求の通知が届いた,無視するとどうなる?

1.不倫慰謝料請求の通知が届いたら ある日,突然ご自宅又は職場に不倫相手の配偶者やその弁護士から慰謝料請求の通知が届いたとします。 この場合,あなたならどうしますか?突然のことに動揺し,中にはそのまま無視してしまおうと考える方もいらっしゃると思います。 果たして本当にそのような対応は正解でしょうか。   2.通知を無視するとどうなる? まず,その通知書は誰から届いたものでしょうか。もし,それが不倫相手...

詳細を見る

不動産,給与,預貯金,動産の差し押さえ

1 はじめに 判決等で決まった慰謝料や,公正証書で合意した慰謝料について,相手方(債務者)が支払わない場合,慰謝料を回収するために,債権者は強制執行をすることが可能です。 なお,公正証書ではない示談書しか交わしていない場合でも,一旦裁判をして判決等をもらえば強制執行ができるようになります(示談書に問題がなければ,基本的には示談書の内容をもとに判決がされます。)。 一口に強制執行と言っても,複数の方法があります。今回の...

詳細を見る

不倫のせいで別居・離婚になっても,面会交流はできる?

1 面会交流とは? 面会交流とは,離婚に際して親権者とならなかった親が,子供と会ったり,文通したり,電話したりして交流することをいいます。最近では,メールやライン,写真や動画の送付といった交流のかたちも増えております。 また,離婚をしておらず,夫婦が別居している場合に,子供と一緒に暮らしていない親が,子供と会ったりすることも同様に面会交流といいます。   2 不倫があっても面会交流は求めていいの? ...

詳細を見る

慰謝料請求の無料相談のご予約はこちら

60分無料相談実施中!