配偶者の浮気を許していた場合に慰謝料は請求できるか |横浜の弁護士による不倫・慰謝料請求相談なら

不倫の慰謝料請求相談

初回相談1時間無料

045-594-7500

24時間Web予約
受付中

配偶者の浮気を許していた場合に慰謝料は請求できるか

1 はじめに

夫と喧嘩をした拍子に「あなたとはもう話したくないから,外に女を作るなり勝手にして」と言ってしまったことがある場合,本当に夫が浮気をしてしまったとしても,慰謝料を請求することは最早できないのでしょうか。

また,結婚する際に「私は縛られたくないから,異性との交際を認める書面にサインしてくれたら結婚してもいい」と言われて書面を作成している場合,慰謝料を請求することは認められないのでしょうか。

今回のコラムでは,浮気をすることを許してしまった場合の不貞慰謝料請求について,横浜シティ法律事務所の弁護士が解説いたします。

 

2 浮気を許した経緯があっても慰謝料は請求できる

結論から申し上げると,「あなたとはもう話したくないから,外に女を作るなり勝手にして」と言ってしまったことがある場合でも,結婚する際に「私は縛られたくないから,異性との交際を認める書面にサインしてくれたら結婚してもいい」と言われて書面を作成している場合でも,実際に不倫をしたのであれば,慰謝料を請求することは可能です。

それは,以下の理由からです。

 

まず,日本の法律では契約自由の原則というものがあり,どのような合意も当事者の間では原則として有効です。しかし,公の秩序または善良の風俗(公序良俗)に反する事項を目的とする合意は例外的に無効となります(民法90条)。

 

そして,婚姻関係というものはお互いに性的な関係を独占する関係であり,貞操を守るということは婚姻関係の本質となっています。

性的な関係を独占することが婚姻関係の本質である以上,浮気を許すような合意は公序良俗に違反して法的に無効ということになるのです。

 

3 慰謝料が請求できない場合もある?

浮気を認めていただけでなく,婚姻関係が完全に破綻していた等の事情があれば,慰謝料を請求できないことになります。

 

4 裁判例の紹介

この問題が裁判で争われた事例をひとつご紹介いたします。

東京地裁平成16年2月19日判決は,結婚前に「浮気をしてもいい」という内容の誓約書を配偶者から受け取っていたという事案に関するものです。

裁判所は,「本件誓約書は,Aが婚姻を切望する原告の弱みに付け入り交付させたものであり,原告の真意を反映したものとは解されず,その内容も,婚姻時にあらかじめ貞操義務の免除を認めさせるものであって,婚姻秩序の根幹に背馳し,その法的効力を首肯し得ないばかりか,社会的良識の埒外のものである。」と判示しました。

 

5 おわりに

本コラムでは,配偶者の浮気を許していた場合に慰謝料は請求できるどうかについて解説いたしました。

横浜シティ法律事務所では不貞慰謝料請求について経験豊富な弁護士が在籍しております。初回のご相談は無料でお受けしておりますので、慰謝料請求を検討中の場合や慰謝料請求を受けた場合にはまず一度ご相談ください。

 

その他のコラム

不倫の違約金の相場と違約金条項の有効性について

1 はじめに 不倫が発覚した場合に、配偶者と不倫相手が再び不倫や接触をした場合にその違約金を定めることがあります。このように違約金を定める場合、金額は自由に設定して問題ないのでしょうか。また、一度違約金を設定し、その後約束違反をしてしまった場合、定めた違約金の全額を支払わなければならないのでしょうか。 本コラムでは違約金の相場や有効性について横浜シティ法律事務所の弁護士が解説いたします。   2 違約金と...

詳細を見る

風俗店の利用と慰謝料請求

1.はじめに 現在、日本では数多くの風俗店が営業しています。違法な風俗店を含めると、1万店舗以上もあると言われています。風俗店の営業が禁止されている国もありますので、日本では風俗店は比較的身近なものとして存在していると言えるでしょう。 今回のコラムでは、風俗店の利用と慰謝料請求などの法的措置に関して解説します。   2.配偶者が風俗店を利用している!? 妻が夜遅く帰宅した夫のスーツを片付けていたとこ...

詳細を見る

不動産,給与,預貯金,動産の差し押さえ

1 はじめに 判決等で決まった慰謝料や,公正証書で合意した慰謝料について,相手方(債務者)が支払わない場合,慰謝料を回収するために,債権者は強制執行をすることが可能です。 なお,公正証書ではない示談書しか交わしていない場合でも,一旦裁判をして判決等をもらえば強制執行ができるようになります(示談書に問題がなければ,基本的には示談書の内容をもとに判決がされます。)。 一口に強制執行と言っても,複数の方法があります。今回の...

詳細を見る

不貞相手の住所や連絡先を調べたい!弁護士会照会制度とは?

1 はじめに 不貞慰謝料を請求する際に、相手の名前がわからない、相手がどこに住んでいるのかがわからないなど、慰謝料を請求するために必要な情報がわからないケースは少なくありません。 このような場合に相手の情報を調べるための1つの有力な手段となるのが弁護士会照会という制度です。 本コラムでは、弁護士会照会制度の大まかな内容を説明した上で、具体的にどのような調査が可能なのか、利用できないのはどのような場合かといったこと...

詳細を見る

交渉で解決か,裁判をするか 判断の基準は?

1.交渉?それとも裁判? 不倫慰謝料請求をする際,話し合いで解決するか,裁判にするか選択を迫られる場合があります。例えば,300万円の慰謝料請求をしたのに対し,相手が100万円しか払わない,それ以上求めるなら裁判にしてくれと言ってきたような場合です。相手の提示した金額を受け入れるべきなのかどうなのか,選択の基準を本記事では説明したいと思います。   2.交渉と裁判の違いとは 交渉とは当事者双方が話し合いを...

詳細を見る

慰謝料請求の無料相談のご予約はこちら

60分無料相談実施中!