慰謝料の支払いが遅れた場合に発生する「遅延損害金」とは |横浜の弁護士による不倫・慰謝料請求相談なら

不倫の慰謝料請求相談

初回相談1時間無料

045-594-7500

24時間Web予約
受付中

慰謝料の支払いが遅れた場合に発生する「遅延損害金」とは

1 はじめに

不貞(不倫)が発覚して慰謝料を請求して示談をしたのに,慰謝料の支払いが遅れた場合,ペナルティがあるのでしょうか。
今回のコラムでは,示談をしたのに慰謝料を支払うのが遅れてしまった場合にどのようなペナルティがあるのかについて,横浜シティ法律事務所の弁護士が解説いたします。

 

2 慰謝料の支払いが遅れた場合のペナルティ

(1)遅延損害金とは

慰謝料の支払いが遅れた場合のペナルティですが,示談の際に慰謝料の支払期日を定めた場合,その期日に遅れると遅延損害金が発生いたします。
遅延損害金とは,債務不履行に基づく損害賠償金です。平たく言えば,約束の違反によって被った不利益を償ってもらうためのお金です。

(2)どのような場合に遅延損害金が発生するのか

支払期日に1日でも遅れれば,遅延損害金が発生します。

 

3 遅延損害金はどうやって決めるのか

(1)遅延損害金の決め方

遅延損害金は示談書の中に記載して,取り決めることができます。たとえば,示談書の中で遅延損害金を年5%と定めていたとすると,100万円の慰謝料の場合,1年間遅延すれば,5万円の遅延損害金が発生します。
なお,示談書に遅延損害金に関する項目がなければ,遅延損害金を請求できないというわけではありません。民法には法定利率というものが定められており,当事者間で遅延損害金の取り決めをしていない場合には,この法定利率が適用されます。法定利率については,(3)で詳しく解説します。
※法律に定められている利率を「法定利率」というのに対し,当事者間で取り決めた利率のことを「約定利率」といいます。法定利率より高い約定利率を定めた場合は,法定利率ではなく,約定利率が適用されます(民法419条1項)。

(2)遅延損害金の上限

当事者間で遅延損害金を定めるとき,何%にしたらよいか悩まれると思います。利息制限法や消費者契約法等の法律による制限があるのではないかと考える方もいらっしゃるでしょう。
実は,慰謝料の遅延損害金を定めるにあたって,明確な法律上の上限はありません。利息制限法は金銭の貸し借りについて規制する法律ですし,消費者契約法は事業者と消費者との間の契約について規制する法律であるため,個人間の慰謝料の示談については適用されません。
とはいえ,あまりに高い遅延損害金を定めると,公序良俗違反とされて無効になってしまう可能性があります(民法90条)。当事者間の遅延損害金の取り決め(約定利率)が無効と判断された場合は,法定利率が適用されることになります。
では,具体的には何%だと公序良俗違反で無効とされるのでしょうか。これは一律に決まっているわけではなく,その都度事情に応じて判断されることになります。
しかし,一定の目安はあります。消費者契約法の定める上限14.6%以内であれば,公序良俗違反とされることはないでしょう(実際,14.6%と定めている例はよく見ます)。
他方,利息制限法の上限を超える遅延損害金を定めた場合は,公序良俗違反とされるリスクがあります。
利息制限法の範囲は以下のとおりです。たとえば,150万円の慰謝料の遅延損害金を定める場合,年21.9%の範囲を超える遅延損害金は定めない方がよいでしょう。
・元本が10万円未満の場合,年29.2%
・元本が10万以上100万円未満の場合,年26.28%
・元本が100万円以上の場合:年21.9%

(3)法定利率とは

前述のとおり,示談の際に遅延損害金に関する取り決めをしていなかった場合や,取り決めた遅延損害金が高すぎて無効と判断された場合には,法定利率が適用されます。
現在の法定利率は,2020年4月の民法改正によって,年3%とされました(民法404条2項)。たとえば,100万円の慰謝料の場合,1年間遅延すれば,3万円の遅延損害金が発生します。
この3%の法定利率ですが,3年ごとに見直されることになっております(民法404条3項)つまり,変動金利制ということです。具体的には,日銀が公表する貸付金利の過去5年間の平均が1%以上変動すれば,1%単位で変動します(1%単位でしか変わらないため,貸付金利の平均が0.9%の変動であった場合,3%のままです)。
なお,将来法定利率に変動があったとしても,最初に遅延損害金が発生した時点の法定利率でその後も固定されることになります。たとえば,2021年から遅延し,2023年に法定利率が4%に変更になったとしても,2021年時点の3%の法定利率がそのまま適用されます(民法404条1項)。

(4)民法改正前の法定利率が適用される場合

2020年の民法改正前の法定利率は年5%でした(旧民法404条)。
改正民法の施行日である2020年4月1日より前から遅延が発生していた場合,法定利率は改正前の5%が適用されます。また,利率は,最初に遅延損害金が発生した時点で固定されます(民法419条1項)。たとえば,2020年1月から2020年12月までの1年間遅延した場合,1年間すべての期間について年5%の法定利率が適用されます。

(5)なぜ法定利率が改正されたのか

なぜ3%に引き下げられたのかというと,旧民法の法定利率が決められたのは明治時代のことであり,現代(低金利時代)の市中金利と大きく乖離してしまっていたからです。

 

4 おわりに

以上のとおり,慰謝料の支払いが遅延した場合には,遅延損害金が発生いたします。
慰謝料が約束どおり支払われずお困りの方や,慰謝料の支払いに強制力を持たせるために遅延損害金も定めておきたいという方は,不倫問題に詳しい弁護士にご相談ください。

その他のコラム

不倫をされた場合、慰謝料は配偶者と不倫相手のどちらに請求すればいいか

1.はじめに 自身の配偶者の不倫が発覚した場合、多くの方は不倫をされたことについて慰謝料の請求を考えると思います。 もっとも、不倫の慰謝料を誰に請求するかは人によって考え方が変わってくるところです。例えば、不倫をした配偶者を許して夫婦でもう一度やり直したいと考えている場合、慰謝料請求は不倫相手に対してすることになるでしょう。一方で、配偶者との離婚を考えている方の場合、配偶者と不倫相手のそれぞれに慰謝料を請求することも考えら...

詳細を見る

配偶者の不倫が発覚。不倫相手に連絡する際に気を付けることは?

1.不倫相手への連絡 配偶者が不倫をした場合には、不倫相手に対して慰謝料請求をすることが可能です。請求の方法は様々あり、メール、電話、手紙等あるいは直接面会して請求することもあるでしょう。 請求をするには当然何らかの手段で不倫相手に連絡をとる必要がありますが、その際に気を付けることはあるのでしょうか。   2.連絡の内容によっては不法行為になる場合も… 単に慰謝料を支払うように伝えるだけであれば、特段問...

詳細を見る

既婚者だと知らなかった場合、不倫慰謝料請求を拒否できるか

1 はじめに 身体の関係を持ったときに相手が独身だと思いこんでおり、関係を持った後に実は既婚者であることを打ち明けられたり、慰謝料の請求を受けて初めて相手が既婚者であることを知ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。 本コラムでは、「既婚者であることを知らなかった」という主張によって慰謝料請求を拒否できるのかについて以下解説をしていきます。   2 損害賠償請求の根拠とは 不貞をされた夫婦の片方...

詳細を見る

肉体関係がなくても慰謝料請求できる?

1.はじめに あなたの配偶者が不倫相手と肉体関係を持っていた場合、あなたは不倫相手に対して慰謝料請求をすることができます。 それでは、あなたの配偶者が、あなた以外の異性と肉体関係を持っていない場合でも、慰謝料請求ができる場合はあるのでしょうか。   2.不倫慰謝料請求ってそもそもなんなの? 「不倫慰謝料を請求できるのはどんなとき?」 にも記載のとおり、不倫慰謝料請求は、法律上「不法行為」(民法...

詳細を見る

慰謝料請求の期限までに回答ができない場合の対処法

1 はじめに 不貞の事実が発覚し慰謝料請求を受けた場合、通常その通知書には「●月●日までにお支払いください」「●月●日までにご回答ください」といった期限が設けられています。 しかしながら、突如として慰謝料の請求を受けた場合、今後の対応を検討するために弁護士に相談したり、お金を用意したりと、期限までに回答できない、入金が間に合わないという方も少なくありません。 期限までに入金や回答ができない場合どのような不利益があるのか、...

詳細を見る

慰謝料請求の無料相談のご予約はこちら

60分無料相談実施中!