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肉体関係がなくても慰謝料請求できる?

1.はじめに

あなたの配偶者が不倫相手と肉体関係を持っていた場合、あなたは不倫相手に対して慰謝料請求をすることができます。

それでは、あなたの配偶者が、あなた以外の異性と肉体関係を持っていない場合でも、慰謝料請求ができる場合はあるのでしょうか。

 

2.不倫慰謝料請求ってそもそもなんなの?

「不倫慰謝料を請求できるのはどんなとき?」

にも記載のとおり、不倫慰謝料請求は、法律上「不法行為」(民法709条)にあたります。これは,配偶者と不倫相手が肉体関係を持つことにより,夫婦間の平穏な生活が破壊されるためであるとされています。

 

しかし,この理屈でいくなら,肉体関係を持っていない場合でも,夫婦関係の平穏な生活が破壊される場合はあると考えられます。そこで,肉体関係を持たない場合にでも,平穏な夫婦の生活を破壊するような行為があった場合に,不法行為が成立し慰謝料請求ができないのか,以下,具体的な例を見ていきます。

 

3.メール・LINEでの連絡

あなたの配偶者があなた以外の異性と単なる友人としてメールやLINEをしていた場合には、当然ですが,慰謝料請求はできません。

それでは、友人とはいえないような親密なやり取りをしていた場合はどうでしょうか。

(1)慰謝料請求を認めた例

東京地方裁判所平成24年11月28日は、「俺の彼女は●ちゃんで・・・」などの親密な表現を用いてメールをしていた件について、そのメールのやりとり自体を「婚姻生活の平穏を害するようなものというべきである」と判示し、不法行為の成立を認めました。

この件では、肉体関係の存在も争われていましたが、裁判所は肉体関係の存在を認定しませんでした。しかしながら、親密やメール等をしていたことを理由として、不倫相手は慰謝料30万円を支払うこととなりました。

(2)慰謝料請求を認めなかった例

一方で、東京地方裁判所平成25年3月15日は、「配偶者との間で性的な内容を含む親密なメールのやりとりをしていたことそれ自体を理由とする相手方に対する損害賠償請求は、・・・・不法行為の成立を認めることはできない」と判示して、不法行為の成立を認めませんでした。

(3)小括

上記のように,慰謝料請求を認めた裁判例が存在することも事実ですが,実際にそのような判断がされるケースは多くなく,メールやLINEの内容,連絡頻度などにもよりますが、肉体関係がある場合と比べると、メールやLINEそれ自体に対する慰謝料は非常に認められにくいといえます。

また、認められたとしても上記の裁判例のように、慰謝料の金額はかなり低くなる傾向があります。

したがって、メールやLINEでの親密なやり取りのみで慰謝料請求をすることは一般的には難しいといえます。

 

4.会っていたこと

それでは、あなたの配偶者とあなた以外の異性がカラオケに行く、食事をするなど、肉体関係を伴わない形で会っていた場合はどうでしょうか。

(1)慰謝料請求を認めた例

東京地方裁判所平成25年4月19日は、「深夜の時間帯に・・・面会していた●(注:配偶者)の行為は・・・婚姻関係を破綻に至らせる蓋然性がある行為であると認められるから・・」と述べ、配偶者と不倫相手が深夜などに会っていた場合には(その際に肉体関係が認められないとしても)、会っていた事自体について不法行為が成立する、と判示しました。

ただし、この件は、配偶者と不貞相手の間に過去に不貞関係があったという事情なども加味されているため、この裁判例がある=深夜に会っていれば不法行為が成立する、というものではなく,事例判断的な要素(この件の特殊な事情により総判断された)が強かったと言えます。

(2)慰謝料請求を認めなかった例

東京地方裁判所平成21年7月16日は、肉体関係までは認められなかったものの、夫が異性(クラブの女性店員)との食事などを含め、複数回会っていた件について、「婚姻関係を破綻に至らせる蓋然性のある交流、接触であるとは認めがたい」として、不法行為の成立を否定しました。

(3)小括

結論としては、上記のように事例判断として慰謝料請求を認めた事例はあるものの,会っていたことそれ自体について慰謝料請求することは難しいと言えます。

なお、会っていた事自体について慰謝料請求をすることは難しいとしても、会っていたという事実が、肉体関係が存在したことの一つの証拠となる場合があります。

そのため、会っていた事実に関する証拠を持っている場合には、それが不倫慰謝料を請求する材料として使用できるか否か、弁護士と相談して判断する必要があります。

 

5.子供の妊娠・出産

あなたの配偶者があなた以外の異性と肉体関係をもち、その異性が子供を妊娠・出産した行為それ自体はどうでしょうか(もちろん肉体関係を持っていること自体は慰謝料請求の対象となります)。

(1)東京地方裁判所昭和56年8月26日の判断

この裁判例では、「非嫡の子を懐胎しないように、事前に避妊の措置を講じて受胎を回避すべき義務があり、これを講じないで懐胎するに至った場合には、不貞行為とは独立に、子の懐胎自体について不法行為責任が成立すると解すべきである」として、肉体関係を持っていることとは別に、妊娠したことそれ自体について不法行為が成立するとしました。

一方で、出産すること自体については、肉体関係を持っていることとは別に不法行為が成立しないとしました。

(2)小括

上記のとおり、不倫相手が妊娠した場合には、その事情は不倫慰謝料請求の一つの材料として使用できる可能性があります。肉体関係があることの主張と併せ、適切な主張方法を検討することが望ましいと言えます。

 

6.まとめ

以上のように、肉体関係がない場合(証拠上認められない場合)には、慰謝料を請求することは簡単ではありません。

ただ、メールをしていたという事実、会っていた事実などは、肉体関係を推認させる証拠にもなりうるため、不倫慰謝料の証拠として使用できるかを弁護士と相談するべきです。

横浜シティ法律事務所では、男女問題に精通した弁護士がご相談を受けさせていただきます。ぜひ一度お気軽にご相談ください。

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